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第二次 青林堂事件 (4) 青林堂の不当労働行為を立証

今回も書面の公開ですので、記事は長くなります。

平成27年都労委(不)106号 青林堂事件
組合からの「準備書面(3)」を公開します。

日本の法律に照らし、青林堂の言い逃れを全て粉砕しています。
書面の内容は基本そのままですが、以下の部分については一部表記を修正をしてあります。

※1:当該氏名の他、和解協定で定められた非公開情報などに関わる部分について表記を修正。
※2:読みやすくすることを目的に文字に色を付けたり強調したりしています。内容は変わりません。

青林堂事件 準備書面3


-----------------------以下、書面より抜粋-------------------------

平成27年都労委(不)106号 青林堂事件

2016年9月23日

東京都労働委員会 
会長 房村 精一 殿  
東京管理職ユニオン
                    執行委員長 鈴木 剛


                           準備書面(3)
 
当組合は、2016年8月17日付「準備書面(2)」で整理した救済を求める内容と、同日付「証拠説明書(5)」で提出した録音記録について、これが不当労働行為に該当することを主張する。

1、支配介入の成立要件について 
労働組合法第7条3号は、「労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること」を不当労働行為であると定めている。本件において組合は、2015年12月3日に被申立人の代表取締役社長である蟹江幹彦(以下、「蟹江」という)が発言した内容が7条3号の不当労働行為に該当すると主張するものである。
以下、過去の判例に基づき、7条3号の支配介入の成立要件について整理する。

(1)支配介入意思
 7条3号の支配介入について、過去の労働委員会命令や判例は、使用者の不当労働行為意思の存在について必要としているが、客観的な意思として緩やかにとらえられている。
具体的には、山岡内燃機事件の最高裁判決(昭29.5.28民集8巻5号990頁)において、「発言者に主観的認識乃至目的がなかったとしても」、なお不当労働行為が成立するとして、主観的認識は必要ないとしている。また、日本アイ・ビー・エム事件東京高裁判決(平17.2.24労判892号29頁)においては、より具体的に、「直接に組合弱体化ないし具体的反組合的行為に向けられた積極的意図であることを要せず、その行為が客観的に組合弱体化ないし反組合的な結果を生じ、又は生じる恐れがあることの認識、認容があれば足りると解すべきである」としている。
 従って本件においては、蟹江の主観的認識や目的を問わず、録音記録で確認できる蟹江の発言そのものを客観的に判断すればよいものである。この点から立証する。


(2)実害発生の要否
 7条3号の支配介入は、組合の組織や運営を阻害したり、影響を与えたりする行為であるが、結果的な実害が発生することを必要要件としていないものである。日本航空事件(都労委平23.7.5、東京地判平26.8.28、東京高判平27.6.18)においても、「支配介入は、使用者が労働組合の結成・運営に対して影響力を行使する行為をすることで成立し、現実に労働組合の結成・運営に影響を及ぼすことは必要ではない。」としている。
 従って本件においても、蟹江が(当該)組合員(以下、「(当該)」という)に対して、組合からの脱退勧奨をすれば、その時点で支配介入が成立し、実際に(当該)が組合から脱退したかどうかの結果は問題とならないものである。この点から立証する。


(3)使用者の言論の自由
 憲法21条は言論の自由を定めているが、プリマハム事件(東京地判昭51.5.21)において、「およそ使用者だからといって憲法21条に掲げる言論の自由が否定されるいわれがないことはもちろんであるが、憲法28条の団結権を侵害してはならないという制約を受けることを免れず、使用者の言論が組合の結成、運営に対する支配介入にわたる場合は不当労働行為として禁止の対象となると解すべきである。」としている。そして具体的に、「組合に対する使用者の言論が不当労働行為に該当するかどうかは、言論の内容、発表の手段、方法、発表の時期、発表者の地位、身分、言論発表の与える影響などを総合して判断し、当該言論が組合員に対し威嚇的効果を与え、組合の組織、運営に影響を及ぼすような場合は支配介入となるというべきである。」としている。
 従って、これらの判断項目に沿って、以下、立証する。

2、被申立人蟹江幹彦の発言は労働組合法7条3号の不当労働行為に該当する
 組合は、2016年8月17日付け「準備書面(2)」の4頁から11頁にかけて、甲第42号証で提出した録音記録を反訳したものを示した。これらの発言について、上述した「1」に沿って立証する。

(1)蟹江の発言がなされた時期
 当該発言は、2015年12月3日、主に蟹江によって、(当該)に対してなされたものである。この時期は、会社が(当該)を2015年1月15日に解雇し、大きな労使紛争になった以降のものである。すなわち、東京地裁において、不当労働行為であることが認定され、解雇無効命令が下り、会社が解雇をいったん撤回したものである。
その結果、(当該)は、2015年10月1日に復職したが、復職早々から、会社は(当該)に対する嫌がらせを行い、(当該)や組合を誹謗中傷する発言をエスカレートさせていったものである。組合は、問題解決をはかるために通知書を送付し、東京都労働委員会にあっせん申請を行ったが、会社は、あっせんを拒否し、嫌がらせは収まらなかった。
そこで組合は、2015年11月16日に本件救済申立を行ったものである。そして、問題の発言があった2015年12月3日は、事態打開をめざして組合が会社に団体交渉を申し入れていたところ、会社が望んだ日時で交渉を設定できないことから、蟹江が出社早々から不機嫌な様子であった日のことであった。
このような経緯で労使関係が不正常な中、まさに不当労働行為救済申立の調査中であり、かつ団体交渉の申入れを行っている最中になされた発言である。また、蟹江は、当該期日だけではなく、それ以前も以後も、渡辺専務や上司の上原らとともに、(当該)や組合を誹謗中傷する発言を繰り返している。

(2)蟹江の地位、身分
 本件発言を行ったのは、会社の代表取締役社長である蟹江幹彦本人である。

(3)蟹江の発言手段、方法
 蟹江は、2015年12月3日、申立人組合員である(当該)に対して、会社内において、勤務時間中、他の従業員がいる中で、直接、話しかけて行っている。発言内容は、当該発言をそのまま録音したものである。

(4)蟹江の発言の内容
① 組合脱退勧奨する発言

 蟹江は、(当該)に対して、組合を脱退することを勧奨する発言を、以下のように繰り返しあからさまに行った。(引用は、2016年8月17日付「準備書面(2)」からである。)


君がユニオン辞めれば、辞めれば、普通にみんなつきあうし、普通にできるわけよ。」(4頁9行目)

君がユニオンを脱退すれば、話は違う、違ってくるわけよ。」(4頁18行目)

「ユニオンと縁を切ったら、まだつきあえる、つきあえれると思うんだよ。」(6頁12行目)

「いや、(当該)君、悪いこと言わんから、もう、ユニオン辞めな、ほんとに。」(11頁13行目)

② 組合を誹謗中傷する反組合的発言
 蟹江は、(当該)に対して、組合について、事実に反し、誹謗中傷する反組合的発言を、以下のように行った。

「こういった法律論持ち出してきてさ、嫌がらせするようなさ、ユニオンなんか。」(4頁12行目)

「で、ユニオンって、えー、ある意味、人間じゃないからね。」(6頁15行目)
「(ユニオンは)機械的な共産主義だから。」(6頁17行目)

「で、ユニオンが君の味方をしてくれたのは、金のためだから。君がお金になるから、ユニオンは味方になってくれてるわけよ。」(7頁2行目)

「でも、金になんないと思ったら、冷たくなったでしょう。ほんとにさ、ブラック社員が1人いるとさ、えらい金になるから。」(7頁4行目)

強調文「で、今回も、君、えー、(当該)を戻したんだけど、そのときに、迷惑金という名目で金取ってたからね、ユニオンは。知ってるでしょ、それは。」(7頁10行目)

迷惑料だったか、和解、忘れちゃったけどさ。みんなお金のためなんだよ。で、恐らく、えー、今の(当該)君は、ユニオンにとってあんまり金にならない人間になってるから。」(7頁18行目)

 「XXXX万円取ろうとしたじゃん。あの段階でうちがXXXX万円払えば、もう(当該)君は、あのー、ほんとに上玉だったんだけどね。XXX万円でもよかったのね。XXX万円。人の、えー、不幸というか、人の解雇をするのに、ユニオンが介入して、自分たちの収入にしてるわけよ。」(8頁2行目)

「まあ、ユニオンが全ての元凶だよ。」(9頁9行目)

③ 組合弱体化をはかる威嚇的発言、あるいは懐柔的発言
 蟹江は、(当該)に対して、会社全体が組合を嫌っており、(当該)が組合に加入し続ける以上、こうした嫌がらせが継続するという主旨の威嚇的発言、あるいは懐柔的発言を以下のように行っている。

 「あのー、全ての元凶は、ユニオンなわけよ。」(4頁9行目)

「みんな君のことを嫌ってるけど、それ以上にユニオンに対して、非常にアレルギー、アレルギーがあるわけよ。」(4頁15行目)

「そういうものに対する、ものすごい嫌悪感があるわけよ。」(5頁2行目)
 「君がユニオンの人間じゃなければ、こんなふうにはなんないよ。正直。」(5頁6行目)
 「普通に受け入れるだろうし、普通に話すと思うよ。」(5頁8行目)

 「まあ、多分、君がユニオンに入ってる限り、ずっとそういうものはついてくるよ。」(5頁12行目)

 「うん。装置とは、つきあえない、つきあえられ、られないからな、俺も。俺たちも。
で、君も、あのー、自分のためとは別に、ユニオンの、向こうに取って、向こうに取って
動くじゃん。」
(6頁19行目)

 「あの、(当該が)魂を売り渡したわけだから。君に潰されたと思ってないよ、全強調文然。君
が悪いと思ってないよ。ただ、ユニオンは、悪いと思ってる。
(9頁11行目)

 「君が嫌いじゃなくて、ユニオンが嫌いなんだから。」(11頁13行目)

④ 自ら不当労働行為であると認めている発言
 蟹江は、自らの発言について、支配介入に該当する、あるいは、してはならない発言であると自身で述べている。

 「まあ、こういうこと言うと、支配介入って言われるけどな。」(6頁11行目)

「だって、俺、さんざんユニオンに対してひどいこと言ってるからさ。」(9頁17行目)

「まあ、こういうこと言っちゃいけ、いけないかもしれないけど、」(11頁14行目)


⑤ 発言の影響
 これらの発言等により、中村は、体調を崩し、現在、休職に追い込まれている。

以上、蟹江の発言を客観的に判断すれば、(当該)に対して、組合からの脱退勧奨を行い、具体的に、蟹江の発言内容、手段、方法、時期、蟹江の地位、身分、与える影響などを総合して判断し、当該発言が組合員に対し威嚇的効果を与え、組合の組織、運営に影響を及ぼすのは明らかであり、支配介入となるというべきである。故に、不当労働行為に該当するのは明らかである。
組合は、貴委員会に直ちに救済命令を発することを求める。

以上

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労働組合法 7条3号を立証する文書となっています。

蟹江社長の言動は、まるでこれらの法律の全てを知った上でやっているかのように、綺麗に全ての要件を満たしていることがわかります。
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プロフィール

青木木堂

Author:青木木堂
「ガロ」で有名であった 株式会社 青林堂で起きた不当労働事件、違法解雇事件についてをお知らせするブログです。

事件を解決すべく、当該社員が加入している「東京管理職ユニオン」が運営しています。

▼東京管理職ユニオンへの加入はこちらから
http://www.mu-tokyo.ne.jp/


ガロ (雑誌) - Wikipediaによる歴史で言うと、当該社員は「復刊と休刊」の項目の時期にも在籍していました。

▼「復刊と休刊」の後半部分引用---------
「ツァイト社倒産後、青林堂の援助をしていた「大和堂」社長の蟹江幹彦が引き継いで社長となった。
大和堂体制となった『ガロ』は2000年1月号より復刊するが2001年なかばより隔月刊、2002年には季刊となり、オンデマンド版(いわゆるネット上での通販)として販売形態を変更したが2002年10月発売の1号が刊行されただけに終わり、実質発行の無いまま現在に至っている。」
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当該は、ちょうどこの蟹江社長体制になってから在籍していた営業社員で、当時は部長の名刺を持っていました。

2014年に蟹江社長と再開し、再度入社することになったのですが、(出している出版物だけのことではなく)青林堂は大きく変わっていました。


実際に会社に行ってみると、社員は新卒や社会人2~3年目の若手ばかりになっていました。
3ヶ月に1人は従業員が退職に追い込まれ続けた結果、そうなっているのだと、当時の社員から説明を受けました。

自分が何とか「ガロ」の青林堂を立て直そう。
そう決意して、青林堂で二度目の仕事はスタートしました。


まさか、理不尽なパワハラや不当な解雇を受けるとは知らずに…